KURASHIKI IGUSA
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history
いぐさ発祥の地である岡山県倉敷市。
なぜ倉敷でいぐさが発祥したのか、ここでは倉敷いぐさ発祥の伝説を紹介します。


伝説 
 岡山県(備中国倉敷周辺)のいぐさ製品のその歴史は非常に古く、現在尚伝えられるところによると、
 第十四代沖哀〈ちゅうあい〉天皇の御代〈みよ〉に豪族熊襲〈くまそ〉が朝廷にそむいたので、天皇は神功皇后と共に築柴に行幸〈ぎょうこう〉させられて、これを討ちたまい都へ御帰還の途次、当郷守護の神廟〈しんびょう〉二子山高島居の址(現在の倉敷市中庄地区二子)に仮泊なされました。
 この時あたりに繁栄している野草の美しさをめでたまい、これを刈り取りて「御座」を作る様、勅〈ちょく〉せられた。そこで、物部〈もののべ〉の浦人が勅を奉じて これを作って奉ったところ、皇后おおいに嘉賞せられ爾後〈じご〉この野草を 用いてむしろを織る様にと勅諚〈ちょくじょう〉があった。...
そして長きに渡り、貴人の敷物として愛用されて参りました。

現在の「茣蓙〈ござ〉」と云う言葉は〔御座〕 より転用されたとの由
両児神社〈ふたごじんじゃ〉



 壮健は、二子山高島居の址、中庄地区松島に鎮座し、
御座八幡宮〈ござはちまんぐう〉として、崇敬されていました。 

現在は、両児神社と改称(明治五年改称)。
松島、二子、栗坂の鎮守として厚い尊敬を受けています。

手話からわかるい草と岡山県の結びつき


おかやま〔岡山〕

「岡山」→<岡山>   県名の「岡山」は<岡山>で表現。 

      い草を 使用した 畳の織り方から生まれた 手話の形です。

年表 
 岡山い業のあゆみを年表にまとめてみました。
時代 西暦 年号 い業のあゆみ いぐさ作付面積(ha) 社会の背景
縄文/弥生 BC1000 - - - BC600年頃から稲作が始まる
AD200 - ・神功皇后、三韓征伐の帰途、庄(倉敷市)に立ち寄った際  物部の浦人がいぐさで織ったござを奉る(吉備国伝承) - AD100年頃吉備王国かたまる
大和 300 - ・この頃に作られた、岡山市の金蔵山古墳、倉敷市の王墓 山古墳から畳表の残片が出土 - 大化の改新(645)
奈良 700 - ・備前国秦刀良(はたのとら)が畳造りの功により従五位を 授けられる(続日本記770年頃) - 平城京へ遷都(710)
平安京へ遷都(794)
平安 800 - ・神殿造りの住居が普及し畳を使い出す(850年頃)
・畳縁の色や模様が官位によって区別(900年ごろ)
- 源頼朝、征夷大将軍となる(1192)
鎌倉 1200 - - - 養蚕業普及
足利尊氏、征夷大将軍となる(1338)
室町 1500 - ・備前国がいぐさの栽培とい製品の生産を開始 (吉備国伝承1550年頃) - 織田信長安土城を築く(1576)
安土桃山 1600 - - - 高松城水攻め(1582)
江戸 - ・池田光政が干拓による新田開発に努め、換金作物として  いぐさ、綿などの栽培を許可(池田光政 1632〜73) - 徳川家康、征夷大将軍となる(1603)
1700 - ・備前表の製造が盛んになる(1700年頃) - 後楽園が築造(1700)
- ・上道でい笠、児島や備中で畳表、ござが生産されだした  (1750年頃) -
1800 - ・早島の吉屋万之助氏が海路で畳表を江戸へ直送      (1844〜48) 40〜50 ペリー浦賀に来航(1853)
江戸開城(1868
明治   1871 明治4 - - 廃藩置県
1874 明治7 ・畳表の生産額が102,900円(畳1枚が約5銭) - 北条、岡山、小田が合併し岡山県となる(8〜9年)
1875 明治8 - -
1878 明治11 ・磯崎眠亀氏が錦莞莚の製造技術を説明 15
1881 明治14 ・錦莞莚がイギリスなどへ輸出されだす -
1891 明治24 - - 山陽鉄道岡山〜三石間開通(24年)
1893 明治26 ・県産の花ござが国の輸出10品目に入る 1749
1895 明治28 ・いぐさ篤農家、難波氏が中太種の新系統【難中系】を選抜、 良質多収のため県南部に普及 502
1897 明治30 今吉商店が創業する。(初代今吉忠蔵 二代安二)
1901 明治34 ・岡山県立農業試験場が開設され、いぐさの栽培試験を実施 1653
1903 明治36 ・岡山県立農業試験場でいぐさ染土試験 1134
1904 明治37 - - 日露戦争開始
大正 1914 大正3 - - 第一次世界大戦開始
1915 大正4 ・「難中系」から古屋野馬太郎氏が、新品種「古屋野」を、板野嘉太氏が、新品種「板野」を選抜し県南に普及
・いぐさ田の除草に大豆粕散布法が確立され普及
1091
1918 大正7 - - 第一次世界大戦終戦
1919 大正8 - - 関東大震災
1920 大正9 ・山陽本線 西阿知駅が 旅客・貨物の取り扱いを開始しました。
昭和 1930 昭和5 ・いぐさ田の除草に米ぬか散布法が確立され普及 2347
1932 昭和7 - 農村不況深刻化
1933 昭和8 ・県花莚・畳表同業組合の活動が活発になる(加入者:22400人)
・岡茂一郎氏が岡式ロール自動織機を開発
3018
1937 昭和12 ・岡山県立農業試験場早島いぐさ試験地が解説
・明石染土がこの頃から普及
・県下のロール式自動織機5000台を越す
2739 日中戦争開始
1938 昭和13 ・岡山県工業試験場い製品指導所が開設 2776
1940 昭和15 ・いぐさ、畳表、ござ類に公定価格が公表 3666
1941 昭和16 - - 第二次世界大戦開始
1942 昭和17 ・い製品等配給制要領が公布
・全国い製品生産者団体連合会発足(岡山、広島、福岡県  他5県)
2118 食料管理法公布
1945 昭和20 - 130 第二次世界大戦終戦
1946 昭和21 ・食料増産により、いぐさ栽培面積が激減 3 農地改革(20〜21)
1947 昭和22 ・いぐさ・い製品配給制始まる 57
1948 昭和23 ・岡山県立農業試験場において新品種「岡山3号」を育成 611
1951 昭和26 ・好景気でいぐさ高価格に推移(61円/Kg) 3850
1952 昭和27 ・第1回岡山県い業祭が倉敷市で開催 4933
1956 昭和31 ・倉敷税務署が航空写真により作付面積を確認 3500 児島湾の締切堤防工事完成
1958 昭和33 ・「岡山3号」を県奨励品種に採用
・畳縫着機の平刺、返縫両用機が開発
5480
1859 昭和34 ・武南清士氏が、いぐさ選別機を開発
・岡山県い業振興協会発足
3640
1960 昭和35 ・いぐさ田の除草に除草剤が使用されだした
・「あさなぎ」を県奨励品種に採用

3730
1961 昭和36 - - 農業基本法公布
1962 昭和37 - - 第17回国民体育大会岡山で開催
1963 昭和38 県下でいぐさ倒状防止網が普及 -
1964 昭和39 ・いぐさ・い製品が貿易自由化
・浅越修三氏がジャガード自動花莚織機を開発

・いぐさ田の除草にDBNが導入、普及
いぐさ作付面積5548ha(全国1位)
5548 岡山県南地区が新産都に認定
1966 昭和41 ・県中北部地帯の作付が拡大 3380
1967 昭和42 ・いぐさ大暴騰、青いダイヤとなる 3380
1968 昭和43 ・第1回全国い大会が岡山市で開催 3600
1969 昭和44 ・倉敷しの条例に基ずき倉敷美観地区に定められた。
・三代今吉安二が 倉敷いぐさとし 美観地区での いぐさ商品の販売を始める。  
- アポロ11号月面着陸
1971 昭和46 ・山陽本線 西阿知駅が 貨物の取り扱いを廃止しました。
1972 昭和47 - - 新幹線岡山まで開通
1973 昭和48 ・畳表JAS規格公布、県条例でのJAS検査開始
・43年頃から始まった、いぐさ先枯の紛争が件の調停によって解決
・倉敷市西阿知町が い草加工の特別工業地区に認定さました。
1250
1975 昭和50 ・いぐさの大型立詰め生乾燥機導入 587 新幹線岡山〜博多間開通
1977 昭和52 ・明石染土が生産中止になり、淡路染土を導入
・早島町歴史民族資料館開設、いぐさ資料を展示
537 中国縦貫自動車道開通
落合〜吹田間開通)(50年
1979 昭和54 ・県産いぐさ使用畳表に優秀品マーク表示始まる 544
1983 昭和58 ・新品種「岡山みどり」を岡山県農業試験場が育成、県奨励品種に採用
・四代今吉正行が 倉敷いぐさ(今吉商店)を継ぐ。
233
1986 昭和60 - - 笠岡湾干拓地入植営農開始
1987 昭和62 ・常用ハーベスター導入 139
1988 昭和63 - - 瀬戸大橋開通
新岡山空港開港
平成 1990 平成2 ・花莚の新染色法(瀬戸染)を岡山県織込花えん工業組合が開発
・いぐさ植付け機導入
108 食と緑の博覧会開催
1992 平成4 ・第40回岡山県い業大会を倉敷で開催 -
1993 平成5 ・第1回岡山特産花ござ祭開催(早島町)
・染土を統一(アサノ染土)
37 米が戦後最悪の不作
1994 平成6 - - 米不足による米騒動起きる
1995 平成7 ・岡山県いぐさ研究会発足 28 阪神大震災発生
1996 平成8 ・いぐさ粉塵除去装置の検討 -
1997 平成9 ・い製品消費宣伝イベントの開催 23 倉敷チボリ公園開園
1999 平成11 ・第1回いぐさ栽培技術改善共励会を実施・岡山ブランド花ござを岡山県織込花莚工業組合が開発
- 食料・農業・農村基本法公布
2000 平成12 ・岡山県い業関係団体の再編 15 全国作付面積2874ha
2001 平成13 ・畳表JAS規格改正
・畳表に関するセーフガード暫定措置を発動(4月23日から200日)
-
2002 平成14 ・第50回岡山県い業大会を早島町で開催 9
2003 平成15 ・熊本県が「ひのみどり」を使った畳表の輸入差止めの申し立て
・西阿知公民館内に 西阿知民族資料室完成 岡式い草織り機を展示

-
2004 平成16 ・JAS制度のあり方検討会最終報告
・い草残留農薬検査開始
7 台風(16号、21号23号)のあいつぐ襲来
苫田ダム竣工

2005 平成17 ・今吉商店の花ござが 岡山県い業大会にて 表彰されました。
・種苗法
・JAS法の改正
- 第60回国民体育大会「晴れの国おかやま国体」開催
2006 平成
18
・倉敷いぐさ(今吉商店)の商品が倉敷ブランドに認定しました。
2011 平成23 - - 東日本大震災
アリオ倉敷・三井アウトレット倉敷オープン








意外と知られていないいぐさ発祥の地である岡山県。みなさんはご存知でしたか??
「いぐさ」と「岡山・倉敷」の関係が少しでもお分かり頂ければ幸いです。



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